第8回「昭島子ども放送局」
多摩探検隊 » アーカイブ » 第8回「昭島子ども放送局」
「サンタさんにお願い」
昭島市産業まつりに「多摩探検隊」がブースを出展した際に、その場で祭りに来ていた人たちの生の声を収録。テーマは“サンタさんにお願い”。子供から大人までさまざまなお願いが登場する。中には予想もできなかった意外なお願いも!
「昭島子ども放送局」
昭島市産業まつりを、つつじが丘北小・南小の生徒たちが自分たちで取材・撮影するというメディア・リテラシーの観点からもすごく重要な意味を持つ企画。TA(Teaching Assistant)として参加した多摩探検隊の手助けのもと、小学生たちの体当たりの撮影の様子をドキュメンタリーとして仕上げた作品。第8回制作
<番組プロデューサー>安田 純<キャスター>押本芳晃 山本久美子
<ディレクター・AD>
「サンタさんにお願い」
鈴木香奈子 阿部公信 三浦光晴 小塚悠美加
「昭島子ども放送局」
豊島 豊 狩野智彦 市瀬さくら 輪違理恵 荒井亮吉
石黒 悠 佐藤里奈 鈴木香奈子 田中夕貴
野尻悠華 林沙耶香 八井麻由美
第8回キャスター・押本芳晃
「第八回のキャスター押本さんにお任せします」。この言葉に私は驚きの顔を隠せなかった。私が多摩探検隊のキャスターになるなんて考えもしたことがなかった。 中央大学で行われたスタジオ撮影ではこの驚きはすべてとまどいになることになった。カメラの前での笑顔、はきはきとした声、自然な演技。すべてがはじめてであった私にとってその撮影は緊張の連続であった。しかし番組Pの安田くんの頼りないながらも必死に番組を制作しようとする情熱と努力に勇気づけられ、緊張もほぐされ撮影も楽しく終始笑顔で無事終わることになった。 テレビを通して映る自分は照れるものだけれどキャスターとして映っている私にそれ以上の満足感を得た。
「サンタにお願い!」ディレクター・鈴木香奈子
背後に気配を感じる間もなく、誰かが私の肩をたたく。
「香奈さ、“サンタにお願い”のディレクターやんない?」
彼の鬼気迫る顔を見ると、もはやそこに拒否権はなかった。
第8回番組プロデューサー安田純。瀬戸際の11月7日だった。
第8回はちょうど放送時期がクリスマスということもあり、企画自体は季節感を出しやすいし、それほど難しくはないはずである。
しかし、安田Pのクリスマスに懸けるロマンチックな野望のために、コンテンツがなかなか決まらず、ついに納品日まで2週間弱というところまで来ていた。
私が断ったら安田純は泣いてしまうかもしれない。
こうして私はサンタさんにお願いの番組Dをすることになった。
実際の私の仕事は、昭島市産業まつりに多摩探検隊が出店していた時に特設ブースで撮りためていた、祭り来場者がカメラに向かってサンタさんへのお願いを言う、という素材を編集して1本の番組にするというものだった。
渡されたテープは60分テープが2本。だがVTRをチェックして愕然とした。「使えそうな絵が少ない・・・。」唯一の頼みの綱である、かわいい盛りであるはずの小学生達は、ゲームソフトが欲しいだの遊戯王カードが欲しいだの、夢がないことを連発するし、途中に入る、ゼミ生達が暇つぶしにインタビューし合って遊んでいる絵は、私の頭をより悩ませた。「どうせ使えないんだからやめてよ・・」困ってはみたが、パソコンに向かった。
私がしなければいけなかったことは、おもしろくなりそうなインタビューだけを絞り、テロップや編集で面白そうに見せることである。今回の場合、雑感はない。3分間、インタビューだけが続く。いかにクリスマスらしく、ほほえましく、飽きさせない番組にできるか、が私の課題だった。そして、最終的には安田純を救済すること・・・。
しかし、救済してもらっていたのは実は私だった。ゼミへの関わり方や映像制作の意味について考えすぎて、うまく動き出せずにいた私に、彼は番組ディレクターをする機会を与えてくれた。番組作りは大変で、頭の痛くなる仕事だが、今回の作業を通して、伝えることの喜びや、番組作りの面白さを再確認することができた。
「昭島子ども放送局」・八井麻由美
「昭島子ども放送局」には、9人の子供たちが参加してくれた。すごくやんちゃな子もいれば、常に落ち着いている子もいたりで、9人全員違った。でも、9人全員に共通していることもあった。それは、その素直さとかわいさ。そのかわいさに、自然と顔が緩んでしまう自分がいた。その素直さが、たくさんのことを考えるきっかけになった。そして、また子供達に会いたいと思った。
第8回番組プロデューサー・安田 純
番組プロデューサーという仕事がこんなにも大変だとは思わなかった。今まで先輩や友人たちの苦しんでいる姿は見てきたけれども、自分もやろうと思えばできる、むしろその苦しみを味わってみたいとすら思っていた。
今回の自分の中でのテーマは"クリスマス"。ロマンチックな雰囲気をかもし出し、番組全体として心温まる作品に仕上げたかった。しかし、理想と現実の差は大きく、技術不足・経験不足から思い通りの作品に仕上げるには相当の時間・妥協・努力が必要だった。先生からは、「このままじゃ間に合わない」、「センスがない」、「放送を甘く見るな」などこっぴどくしかられ、ただでさえ責任やプレッシャーに押しつぶされそうになっていた自分の心はずたずたになった。苦しい。できることなら逃げ出したい。でも、ここで放送を投げることはゼミ生全員ではなく、関わってくれている大学の関係者、そして協力してくれた昭島の方々など、信じられないくらい多くの人たちを裏切ることになるからそれは決してできなかった。しかも、納品が遅れてケーブルテレビ局の信頼を失い、レギュラー放送が中止されればそれもまたみんなに合わせる顔がない。本当に今まで経験したことがないくらい大きなプレッシャーが自分を常に圧迫していた。
そんな苦しみを乗り越えやっと完成し、先生のOKをもらえたときには本当に涙が出てきた。でも、今回の作品は、自分一人では絶対に完成にこぎつけることはできなかったと思う。とにかく、関わってくれた一人一人の優しさ・努力の結晶が、第8回多摩探検隊なんだと思う。確かに、今までの作品から比べるとクオリティーは低いかもしれないけれども、自分はこの作品のエンドロールの一番最後に自分の名前が載ったことを誇りに思う。
