夢はパワー(2007年07月01日)

佐藤 希 (サトウ ノゾミ)
総合政策学部国際政策文化学科
第39回「湯夢~あなたの夢はなんですか?~」ディレクター

FLP履修生となって初めてVTRを作ることになった四月の上旬、私は過去に幾度も『ありがとう』の撮影場所となっていた多摩中央公園で撮影をすることになった。今回のテーマは『夢』。幅広い年代に聞こうと企画段階から決めていた。子どもの夢と大人の夢を同時に聞けたら面白いと考えたのだった。撮影の滑り出しは順調だった。赤ちゃんを連れたお母さん、お父さんと一緒に来ていた小学生の男の子にインタビューをすることができた。残るは、大人の夢を聞くだけだった。
ところが、ここから雲行きが怪しくなった。夫婦連れを中心に取材交渉をしていったのだが、一向に撮影の許可を出してくれる人はいなかった。大体の人が夢について語ってくれるのだが、カメラの前でというと難色を示して行ってしまう。結局その日は三人目を撮り終えたところで陽がかげり、撮影終了となった。同行してくれたゼミ生にもふがいないディレクターで申し訳なく思った。
それでも、再び撮影に行く気になれたのは、家に帰って見直したその日のインタビュー映像のおかげだった。中でも、小学一年生の男の子は私を大いに勇気付けてくれた。映画『ジョーズ』を観てサメの研究者になろうと決めたという面白い少年で、前のめりになって夢を語る姿は傍から見ているとおかしいのだけれど、何故か応援したくなる。好きなことについて夢中に話す六歳の少年の姿から夢を描く純粋な気持ちが、伝わってきたのだ。取材時の自分を振り返ると、インタビューを撮ることに必死になりすぎて、自分が本当は何のためにVTRを作ろうとしているのかを忘れてしまっていた。自分が何を伝えたいのか。それは、ひたむきに夢を追いかける人間の魅力なのかもしれない。熱く夢を語る人が持つ、生き生きとした姿を見てもらいたいのだ。
次の撮影日には、あの男の子のように前のめりになって話し掛けるようにした。伝えたいことがあるから一生懸命になっているのだと相手に伝わるように。その結果、当初考えていたように幅広い年齢層の人々にインタビューすることができた。出来上がったVTRを上映すると、いつもサメの少年のところで見ている人が笑顔になった。夢を語る姿には、人を惹きつけるパワーがある。夢があるなら熱くなっていいじゃないかと訴えかけてくるようだ。
「夢」はFLP履修生として駆け出した私に大切なことを気付かせてくれた。それは、自分が何をしたいのかを明確にできれば、あとは目標に向かって一生懸命やればいいのだということだ。『多摩探検隊』で何を一生懸命にやりたいのか、自分次第でこれからが決まる。ジョーズの少年が見せてくれたような、人が輝く瞬間を、多摩探検隊を通して伝えていきたい。

投稿者 webmaster : 2007年07月01日 12:00|

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