私の10分間(2007年01月01日)

堀 夏海 (ホリ ナツミ)
法学部政治学科
第33回「女子大生がゆく 多摩で滝修行!」プロデューサー

「撮影は無理ですね。神聖な場所ですから。」

梅雨の季節。私は受話器を握りしめ、途方に暮れていた。ゼミに入って初めて長いVTRを作ることとなり、見つけた企画は「滝修行」。私は、滝修行の道場を開放している高尾山のお寺に電話をかけた。しかし、撮影は難しいと電話口で一蹴されてしまった。滝場は神聖な場所であり、安易にカメラはいれられないというのが一番の理由であった。それでも諦めたくはたなかった。

歴代の多摩探検隊を見て、私はいつも元気をもらっていた。今度は私が作り手となり、見る人を楽しませるような作品を作りたいと思った。「滝修行」はきっとそんなVTRになると信じていたのである。熱意を伝えなければ何も始まらない。そう思い、なんとか道場の主管との取材の約束を取りつけることができた。
7月の始め。じめじめと蒸し暑い山道を1人下った。見つけたのは小ぢんまりとした道場。中に案内され、主管のお坊さんと1時間ほど話をした。滝修行の効果は滝に打たれる人の心の持ちようによって様々であり、それを求めて多くの人が修行に訪れるのだという言葉に不思議な魅力を感じ、どうしてもVTRを作ってみたいと思った。

その後、自分が滝修行を撮影し何を表現したいのか、という主旨の企画書を送り、撮影をしても良いというお返事をいただくことができた。熱意が伝わった瞬間である。あのとき諦めなくて良かったと心から思った。

いざ撮影日が決まり、先輩とレポーターと3人で何度も会議をした。「こういう演出が面白い」と、どんどんイメージがふくらんだ。

撮影当日。4人のクルーを引き連れ、薄くもやのかかった高尾山に上った。そこで私は、ディレクターという役割の難しさを知った。いくら事前準備をしても、現場に立ってみると頭が働かず、クルーにうまく指示を出すことができないのだ。私が指示しなければ、周りが動けない。そんな状況に立ったのは生まれて初めてで、自分にディレクション能力が欠けていることを痛感した。

クルーに後押しされながらなんとか2日間の撮影を終え、編集に取り掛かった。複雑なジグソーパズルのような作業は決して楽ではなかったが、「絶対に面白いVTRにしよう。大丈夫。」そういって最後の最後まで励ましてくれた先輩、いつも側にいてくれたゼミ生、そして先生のアドバイスがあったからこそ、私の作品は完成した。番組プロデューサーを兼任した1月放送は、私にとって、大好きなスタジオ、そして大好きな作品が詰まった最高の10分間である。多摩探検隊という歴史に私の色を刻むことができたという誇りを胸に、これからも制作活動に励んでいきたいと思う。

投稿者 webmaster : 2007年01月01日 12:00|

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