きっと誰にでもある気持ち(2006年02月01日)

Tomoko Fuji藤井智子 (フジイ トモコ)
法学部政治学科
第22回「がんばれ! ~あなたが伝えたい気持ち~」ディレクター

中学生バドミントンの試合の時、緊張する私に向かって友達が「がんばれ!」と言って、コートに送り出してくれた。音楽祭のとき、みんなで輪になって「がんばろう!!」と言って団結した。受験の時、母が「がんばれ」と言ってくれた。この言葉を口にしたことのない人なんて、いなかったろうと思う。今まで何回、この言葉を口にしただろうか。それは友達に対してだったりテレビのスポーツ選手へであったり自分であったり、様々だ。言われたことによって体に変化はなくても、気持ちがとても安らぐ時がある。自分を応援してくれている人がいるんだと思うだけで元気がでる。そして言ったことによって、自分のその人に対する愛情を示すことができる。だったらそれを映像にして、気持ちをもっと広く伝えることができたらすてきじゃないか。そう思い、私はこの企画を思い立った。                                                
11月の日曜日、リポーター一人を連れて多摩川付近を歩いてみた。太陽が顔を出し、風も心地よく吹いていて絶好の撮影日和。木の葉はきれいに色づいていて自然とカメラを向けてしまう。さすがは多摩、自然が残っているなと感心していると、目の前を一組の夫婦が歩いていた。仲よさそうに池を眺めながら、時々2人で顔を見合わせながら散歩をしていた。思い切って声をかけてみる。するとすぐに、「もうそろそろ弟に子供ができるから、それに対してがんばれって言いたいですね」と返してくれた。遠くに住んでいてなかなか会えない弟夫婦に対して、映像を通してエールを送りたい、そう言って、二人は顔を見合わせて笑った。

多摩川の河川敷、モノレールを背景にした場所に、小さな広場があった。そこには白いユニフォームを着た中学生たちが、それぞれバットを振ったりストレッチをしたりしていた。少し緊張しながらも、彼らの練習場へと足を踏み入れる。監督らしき人にインタビューを申し入れると、野球チームのキャプテンを呼んでくれた。この野球チームは私の予想よりもずっとすごく、全国大会に14年も連続で出場しているチームであった。目標は、今年も先輩がたに恥じないように、全国大会へと出場して優勝することだという。そう応えるキャプテンの声には、本当の意味での強い意志を感じた。そして振り返り、キャプテンが後ろで体操をしているチームメイトに向かって「がんばれ!」と叫んだ。そうしたキャプテンの呼びかけに、チームメイトもまた大きな声で返事をした。空は青く晴れていた。彼らの声が、その空の下でどこまでも強く響いていた。                                                

「誰か、エールを送りたい人はいますか?」という私たちの質問に、「誰もいないよ」と答える人はいなかった。みんな誰かしらいる、がんばれと言いたい人。何気なく使っているこの言葉には、とても実はいろいろな人の愛情が詰まっているのだと思った。この映像に映し出されている人たちはみんな言っていることは違うけれど、伝えたい想いはみんな同じだろう。何気ない言葉だからこそ、この言葉の持つ想いの深さを感じてもらえたらいいと思う

投稿者 webmaster : 2006年02月01日 12:00|

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