スタジオに自分の色を(2005年07月03日)

Yuka Nojiri野尻 悠華 (ノジリ ユカ)
総合政策学部国際政策文化学科
第15回「多摩探検隊」番組プロデューサー

「女の子3人をキャスターにして、3人ともお姫様みたいにかわいくおしゃれさせて、ピンクで統一された部屋でスタジオを撮ろう」。
私はずっとずっと、自分が番組プロデューサーという役職を担うことがあるならば、「多摩探検隊」を今までになく、かわいく、女の子らしくしようと心に決めていた。キャスターたちには、ワンピースを着せるのがいい。髪の毛はフワフワがいい。爪はやっぱり真っ赤がいい。私はいつもそうやって、「多摩探検隊」のスタジオをどうやって自分色に染めようかと妄想をし、一人で勝手にわくわくしていた。しかし現実は、厳しかった。

第15回「多摩探検隊」の番組プロデューサーを担当することになった私はさっそく、自分がずっと考えていた通りに、キャスターに女の子3人を指名した。彼女たちは快く受け入れてくれたので、少しほっとした。キャスターは簡単そうに見えて、笑顔と滑舌の良さが必要とされるからすごく難しい。それに、嫌がる子も少なくない。
次に、VTRの内容を確認する。スタジオは大体2分、VTRは2本でいこう。そう思い、完成間近なVTRを確認すると、『多摩の酒シリーズ第2弾~石川酒造~』と『手焼きせんべい物語』の二つ。「酒」と「せんべい」。はて、困った。「酒」と「せんべい」と「かわいさ」はどう考えても似合わない。どうやら、スタジオをかわいくするのは無理らしい。ということで、ピンクのかわいい部屋で撮るのを諦め、その代わり、放送月の7月にあわせて、夏らしい雰囲気になるように奥多摩にある払沢の滝で撮ることにした。キャスターもワンピースではなく、初夏らしい服装という設定になった。

15th_0507_003.jpgそして、スタジオ撮影当日。天気予報はあいにくの雨。でも、キャスター3人の予定、カメラさんの予定、自分の予定を合わせるとこの日に撮影しないと間に合わない。そういう事情もあり、初めはキャスター3人、カメラさん2人、お手伝い5人という大人数で行くつもりだったのを、大幅に変更し、6人で撮影をしに行くことになった。車も2台で行くつもりだったのを1台に減らした。ちょうど梅雨の時期ということもあり、前日から天気を心配していた。メールしてひとり1つずつてるてる坊主も作ってもらった。ほんの30分でいいからどうにか晴れてほしい。そう思いながら、私は車の中でひたすら天に祈っていた。

現地に着いてみると、それまで降っていた小雨も弱まり、太陽も出て、日差しも差し込んでいた。車から出てみると空気も気持ちよかった。たくさん作ったてるてる坊主たちに感謝しなければ。そう思いながら、滝に向かって6人で歩き出す。ピンク色の部屋で、女の子たちにふわふわのワンピースを着せるようなかわいいスタジオは結局は撮れなかった。でも、こんな緑に囲まれた中で、天気と戦いながら撮るスタジオはまたいい味が出て、かえって良かったのかもしれない。

「始まりました、多摩探検隊」。私の担当した「多摩探検隊」も結局はいつも通りのこのせりふで始まり、たくさんの反省と共に終わった。結局、自分の色は出せなかった。思うようにうまく撮影もできなかった。後悔してもしきれないことが、次から次へとぽんぽん出てくる。でも同時に、なんだか言葉にはできないとても温かいものを得た。次は絶対に、もっともっと良い作品を作ろう。次のチャンスは絶対に無駄になんてしない。

投稿者 webmaster : 2005年07月03日 12:00|

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