笑い<感動(2005年07月04日)

Yutaka Toyoshima豊島 豊 (トヨシマ ユタカ)
法学部国際企業関係法学科
「多摩探検隊」第15回プロデューサー

私はバラエティー番組が好きだ。気になる番組があれば録画してチェックするし、毎週欠かさずに見る番組もある。「映像メディア」イコール「テレビ」イコール「バラエティー」という図式は絶対に成立しないが、私が無類のテレビ好きであることがこのゼミを履修した一因になっていることは間違いない。しかしそのせいで、たくさん人に迷惑をかけることになった。

それは、ゼミが始まって約一年が経ち、だんだん仕事にも慣れてきた時のことだ。一度、コーナーのディレクターを経験した私に次はプロデューサーの役目が回ってきた。プロデューサーの仕事は主に2つ、「番組全体の構成」と「コーナーとコーナーを繋ぐスタジオの撮影」である。私は奥多摩にある酒造を取材した「多摩の酒蔵」と多摩市の成人式で新成人の皆さんに普段いえない気持ちを伝えてもらった「新成人の一言」で番組の構成を組んだ。このとき使用した2本のVTRはどちらも明るく、ハキハキしたものだったので、スタジオはおもしろおかしく、笑えるものにしようと早速演出と台本作りに取り、撮影に向かった。

しかし撮影したVTRを先生に見せると、すぐに撮り直しが命じられた。私は先生から「やり過ぎだよ」といわれることはあっても、絶対撮り直しにはならないだろうと思っていた。全然甘かったのだ。撮り直しが決まったときは、天国から地獄へ突き落とされた気分で顔が青ざめていく。もう締め切りも近い。先生から告げられたことはただ1つ。「これじゃ全然笑えない。視聴者が不快に思うかもしれないよ」。私の行った演出はだらしなく、メリハリというものが完全にかけていたのである。いま思えば、先生が何を言いたかった、全て理解できる。しかし、当時の私はただ笑えるもの、面白いものということに固執し、「多摩探検隊」が伝えなければならないものを完全に見失っていた。私たちが視聴者の方々に何を伝えなければならないのか。それは大笑いではなかった。

第15回それから猛スピードで撮り直し、編集を行うこと二日間、最後のチェック日がやってきた。もう時間的にも撮り直しをすることはできない。プレッシャーを押さえ、ただただチェックが済むのを待っていた。先生は黙って、テレビモニタを見つめている。そしてVTRのチェックを終えた先生は目線をテレビモニタから私の方に移しゆっくり笑った。

私はプロデューサーを経験し、視聴者の皆さんに伝えるべきものを再確認させられました。それは人々と表面的に笑わせる娯楽ではなく、見た人がニッコリと笑顔になるような感動でした。これからも人間関係が描く温かなドラマを一つでも多く伝えていきたい。

投稿者 webmaster : 2005年07月04日 16:05|

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